足し算と掛け算

suzukit352007-10-10

今日のブログは「suzukitの元気日記」と同じです。

先週ある会合である銀行の人事の責任者から自行の新卒採用戦略の話を聞きました。
昨今の採用の環境とそれへの対策、自行の採用したい人物像、さらに入行後のフォローアップについて等々。
なかなか興味深い話でしたが、当社の採用に比べてみて違和感を感じました。もちろん地域の金融機関ですから私たちのような中小企業とは信用度も違いますし、ネームバリューも違います。〇〇銀行といって知らない親はいないし、友人もいないでしょうから、採用は随分有利だろうと思います。しかしそんな事ではない違いを感じました。どこが違うのだろうか?
それは、この銀行は能力のある学生を採用し、能力のある者を引き上げるという人事政策を取っています。ですからあくまで「個」が全て。1時間聞いた話の中でチームとか、組織というような観点は一つも上がってきませんでした。これが違和感を感じた点です。
当社もそりゃあ能力のある人を採用したいですが、個人の能力だけで採用を決めようとは思いません。能力を引き上げるのは個人のみではなく、組織やチームも大きな要因だと思っています。見方を変えると能力があってもチームや組織を信頼しない人は採用しないし、採用時点で能力が少々劣っているように見えても、組織を信頼する人は、組織にその能力を引き上げてもらう事が出来ると思っています。
この銀行は、当社同様に採用チームに若手行員を充てて、採用基準を「一緒に働きたい人を選ぶ」という事にしているそうで、これは当社と全く一緒です。でも違いを感じるのは、多分銀行では「この能力のある学生が入行したら、自分にとって有利だろうな」と思うだろうし、当社が「一緒に働く事でお互いに力が出せるだろうな」と思うという違いです。
銀行は優秀な学生を採用しやすいので、先輩行員の能力が1.5で学生の能力も1.5とすると1.5+1.5=3の力になると思います。一方広工の場合は先輩1.5、学生1ですが、1.5+1ではなく1.5×1の考えです。ですから採用時は1.5ですが、入社後に組織やチームで能力が引き上げられますから、1年後には1.5× 1.5=2.25 になり、2年後には2×2=4になるのです。
この銀行の採用戦略の様に組織やチームに対する信頼感が出てこない考え方は、根本的に私たちの目指すところと違うと思います。

今日の写真は似て非なるものとしてカナダから入ったアメリカ国境の写真です